横浜サイエンスフロンティア中学志望のみなさん、こんにちは。
サイフロセミナー 講師の新井です。
今日は令和元年7月20日(土)、21日(日)に行われた、サイフロ中学の説明会の内容をまとめてお伝えしたいと思います。
席数360人、全6回開催されましたが、どの回も満席になってしまうという、大変な活況でしたね。
サイエンスの考え方とは?
この説明会の最重要ポイントは、永瀬校長先生がしきりにおっしゃっている、サイエンスの考え方でしょう。
サイエンスの考え方とは、研究を進める際に、 「 正確な観察や実験、体験、情報の整理・分析などを合理的・総合的に進める 」 考え方です。
( 『令和2年度入学生用学校案内』 1ページ参照 )
サイエンスフロンティア中学・高校を通じて、サイエンスの考え方を一貫して身につけていくことが教育目標になっています。
そして具体例として、中学2年での 「 ポスター発表 」 、中学3年での 「 プレゼンテーション 」 があがっていました。
これらは、将来、研究成果を学会発表する際に必要なスキルです。
※ポスター発表とは大きめの板に研究成果を掲示する発表形式で、
パワーポイントを用いたプレゼンテーションは、学会における 「 口頭発表 」 の際に必要なスキルです。
したがって、サイエンスの考え方とは、世界に向けて学会発表ができるための素地と言えます。
SSH、SGHとサイエンスの考え方
サイエンスフロンティア高校は、SSH ( スーパーサイエンスハイスクール ) とSGH ( スーパーグローバルハイスクール ) の2つの指定を文部科学省から受けています。
理科教育に特化した高校であり、同時に英語教育にも特化した高校である、と国から認定されたということです。
もちろん、サイエンスフロンティアは中高一貫校ですので、高校が認定を受けると同時に中学もその恩恵を大きく受けます。
そしてサイエンスの考え方に基づけば、科学に関する基本的な知識・経験をもつことは将来研究を行う際に重要ですので、SSHに認定されることは自然と理解できるでしょう。
実際、予算面での優遇があるでしょうし、ノーベル賞受賞者を含む複数のスーパーアドバイザーのアドバイスを受けることができるため教育上の強みがあります。
では、SGHはどのように位置付けられるのでしょうか。
通常、SGHに認定された他の高校では、模擬国連や英語スピーチコンテストなど、英語を学び、英語で発信することそのものに重点が置かれます。
しかし、サイエンスフロンティアの場合は少々異なります。
研究成果の発表とからめる形で英語教育が位置付けられる点で、サイエンスフロンティアは他のSGH認定校とは一線を画しています。
研究者が研究成果を共有するためには、①論文投稿 ②学会やシンポジウムでの発表 の2つの方法が考えられます。
そして、最先端の研究は、日本語ではなく英語で公表されることが多いのです。
なので、理科教育に力を入れるだけでは、言語の壁が立ちふさがります。
そこで、英語教育にも力を入れることで、①正しく論文を読み、②わかりやすく英語で情報を発信することができるようになります。
なお、国内よりも国外の大学のほうが研究環境が良いので、英語教育を充実させることで、海外の大学・大学院へ進学するキャリアパスを切り拓くという副次的な効果もあります。
よって、サイエンスの考え方を踏まえると、サイエンスフロンティア中学は理科教育(SSH)にも英語教育(SGH)にも力を入れているのではなく、
理科教育を基礎として、その上でさらに英語教育の充実を図っているのです。
両者は独立した関係ではなく、従属関係にあるといえそうです。
サイエンスの考え方が自然と身に付く、サイエンスフロンティアの様々な工夫
サイエンスの考え方を身に着けるにあたって大切なことは、
「 サイエンスの考え方 」 という授業で考え方を学ぶのではなく、
日々の学習のなかでサイエンスの考えに触れることのできる要素が散りばめられていることでしょう。
そのことは、今回の学校説明会からもよく感じ取れました。
それは、サイエンスフロンティア中学の良いところ、特徴的なところを、中学2年生と1年生が協力して、来場した保護者と受験生に一生懸命説明していた点です。
中には、学校の魅力をすべて英語で発表している生徒もいました。
必要な情報を相手に伝える際、どのように情報をまとめ、どのように話せば相手に伝わるのか、そしてどのようにチームで協力すればひとつの成果としてまとめられるのか、そういったことが、学校説明会をはじめとして体育祭・文化祭などさまざまなシーンで自然と学べるように再構築されたサイエンスフロンティアのカリキュラムこそが、サイエンスの考え方の涵養に重要となるのでしょう。
学校説明会は、そういう意味で、サイエンスの考え方を基調としたカリキュラム・マネジメントのひとつの完成形であったともいえます。
今後、受験までに行く機会のある受験生・保護者の方はぜひとも、一度学校説明会に参加することを強く勧めます。