サイフロ問題分析 2020年 適性検査Ⅰ
横浜南高校附属中学との共通問題です。理系に特化されている学校ではありますが、この適性検査Ⅰは例年文献内容も含め、理系への偏りは全くありません。
問1~問5までは選択肢問題。問6が30~40字の記述、問7が作文という問題構成でした。
社会科(地理分野)の基礎知識を含みながら、グラフ資料の基本的な読み取りと、論理的な読解力に重きを置いています。しかし、学校で習う範囲ではありませんので、適性対策のテキストを使用した演習を重ねていれば、さほど難しいと感じることはないでしょう。
ただし、「早く正確に」を心がけて行かないと、ケアレスミスでの失点の恐れがあります。会話文と資料を見比べ、また、資料と資料を見比べ、細部に気を配りながら正答を導いて行かなくてはなりません。
問2では、人口密度、割合をスピーディに計算。正確な判断力を必要とします。
問6で、初めて記述問題の出題があります。会話文を含む二つの文章の共通点を30~40字でまとめるという出題です。公立中高一貫校模試では頻繁に出題される問題形式ですし、対策テキストにも必ず出題されているスタイルです。ただし、問題慣れしている受検生には、得点源となる問題ですが、不慣れな受検生は、この問題を後回しにして、問7の作文問題から先に手を付けることをおすすめします。
問7は、適性検査1のメインとも言うべき文章作成の問題です。文章量も前年と同じく300字以上350字以内という条件でした。サイフロは、他の公立中高一貫校とことなり、文章作成の問題に「自分の考え」や「体験」を必要としません。
つまり、文章の要旨を正しく読み取り、分かりやすい筋道が立った文章に要約するというテクニックが必要となります。正しくキーワードを抜き出し、論理が捻れないように理路整然とした文章になるように心がけましょう。また、問題文には、例年通り「複数の段落をつくって」という指示がありますので、文字数から考えても3~4つの段落でまとめるようにしましょう。
やはり、長文作成がありますので、時間との戦いということを念頭に置いて問題と向き合わなくてはなりません。選択肢問題に時間をかけず、予め、時間配分を決めてから取り掛かると良いでしょう。
おそらく2021年も、この傾向の出題が続くと予想されます。「注意力」、「判断力」、「記述力」。この3つのポイントに重きを置いて、来年に向けての対策を行っていくことが重要だと考えます。