横浜サイエンスフロンティア中学受験のみなさん、こんにちは。
サイフロセミナー 講師の山田です。
今日は、衛星の衛星は存在するのか?について、確認してみたいと思います。
まずは、ある星のまわりを他の星が回る仕組みについて考えていきます。
自宅でもできる!衛星が回る仕組み
広い台の上で、円盤型の強力な磁石の横にパチンコ玉を転がしてみましょう。
まっすぐに転がっていた玉は軌道を変え、磁石に引き寄せられてくっついてしまいます。
次はさっきより、勢いよく転がしてみましょう。
さっきよりも少し多く進んだところでくっつくでしょう。
だんだんと勢いよくしていくと、やがて玉は円の一部のような形で進み、くっつかないで離れていくことになります。
この実験の場合、「磁石」の影響と球の速さによるエネルギーの関係ですが、
宇宙では「重力」によって、似た現象が起こります。
地球と太陽系
地球は、恒星である太陽の周りを、他のいくつかの星とともに惑星として回り続けています。
太陽の持つ大きな重力の中に飛び込んで、そのバランスがちょうど合ってしまって、出ようとするエネルギーと重力のバランスで軌道を作ってしまいました。
宇宙空間には空気抵抗などがないため、エネルギーが他に使われず、この運動が保たれています。
そして、この太陽系を中心とした一群は太陽系と呼ばれています。
恒星 > 惑星 > 衛星 の順に小さくなっていって、衛星は惑星の周りを回っています。
太陽の惑星である地球の衛星が月になります。
衛星の衛星は存在するか?
では、これらの衛星の周りを回る星はないのでしょうか?
宇宙のどこかには存在する可能性がありますが、少なくとも太陽系の中にはありません。
もし、どこかにあったとしても、それは一瞬のできごとであって、長期的にうまく回り続けることが難しいだろうと考えられています。
衛星の衛星のサイズがかなり小さくなってしまうと、重力の影響を受ける相手が多くなるからでしょう。
例えば、仮に月に衛星ができたとします。
しかし、これには地球の重力がかかり、地球側にも引き寄せられてしまいます。
月の回りを回るたびに地球との距離が変わるので、月の周りを円状に安定して回ることが難しくなります。
そして、だんだんとその軌道がゆがんで、やがてはどこかへ行ってしまうか、地球に引き寄せられて衝突してしまうでしょう。
ですから、二重で衛星になることは難しいと考えられています。
ちなみに地球の衛星である月は、衛星としては異常に大きいと考えられています。
これはおそらく、月が外部から地球の軌道に入りこんできたのではなく、地球の一部が分裂して回りはじめたのではないか、と研究がされています。