横浜サイエンスフロンティア中学受験のみなさん、こんにちは。
サイフロセミナー 講師の山田です。
今日は、ひとが宇宙空間でくらし続けるとどうなるのかの記録をみてみたいと思います。
2016年、国際ステーション(ISS)という施設で、340日間暮らしたという記録が作られました。
国際宇宙ステーションは宇宙空間の地中の軌道上にあって、ほぼ無重力の状態です。
その結果、無重力の状態での身体への影響についての貴重な情報がわかりました。
まず、宇宙生活をはじめた頃は血液が頭部に移動してしまい、常に頭に圧力を感じるそうです。
これは、地上では自然に下へ落ちるはずの血液が、自然に落ちずに頭に大量に残るためでしょう。
この現象は時間がたつにつれ慣れてきますが、完全には慣れることはないようです。
そして、心臓の調子が悪くなり、静脈、動脈ともに弱くなるそうです。
反対に、地球に戻ると血液は足にたまろうとする状態が何週間も続き、両脚が腫れてしまいました。
さらに、お尻や足の裏、肘などは、一年近くも圧迫されることがなかったせいか、地球上で何かしら圧迫を受けると、かぶれや、じんましんが出てきてしまったそうです。
宇宙空間滞在中のデータでは、目とけい動脈、DNAの発現、認知力に変化を示すものがあったようですが、ほとんどは地上に戻ると回復しています。
認知力の得点は下がっていましたが、これは十分に回復する前にテストしたためと思われます。
宇宙へ出ていく科学技術がどんなに進歩しても、ひとのからだが対応できないのでは意味がありません。
しかも、問題は重力だけではないのです。
宇宙空間での放射線への対応、太陽光線への対応など、たくさんの未解決な事項があります。
そして、長期滞在が可能になったとして、戻ってきたあとに地球の環境にすぐ慣れるかどうか、また、宇宙で子どもが生まれた場合はどうなるのか、など、課題は山積みです。