過去問を制する者がサイフロ受検を制す!
今回は、その過去問、
解く際のポイントを5W1Hでまとめます。
「 いつ 」過去問を始めればいいか?
一般的に多くの塾では、「小学6年の10月から」解くと言われています。
しかし! 横浜サイエンスフロンティアの過去問は
それではめちゃくちゃ遅い!
私立中学の過去問と横浜サイエンスフロンティアの過去問を見比べると
横浜サイエンスフロンティアの過去問はかなり特殊です。
ですので、「横浜サイエンスフロンティアをはじめてから半年以内 」に、
どの学年でも1回は解いておく必要があります。
自分の勉強が、最終的にどこにつながるのか?
そのためには、現状何が足りていないのか?
受検生自身が自覚を持つことが大切です。
小6の10月なんて甘い!
ある程度勉強が軌道に乗ったら すぐに解くべきです。
「 どこで 」過去問に取り組むの?
過去問に取り組む場所、環境を大切にしましょう。
場所は、家でも塾の自習室でも構いませんが
守ってほしいことがあります。
それは、過去問1回1回、
常に試験会場を想定して取り組むことです。
当然、机の上に飲食物がないように。
参考書や他のテキストもしまってください。
さらに重要なこと、
それは机の上の使用できるスペースを限定することです。
適性検査当日に使用できるスペースはそこまで広くありません。
筆記用具や過去問を大きく広げないようにしましょう。
「 だれと 」過去問に取り組むの?
正直、誰と取り組んでも構いません。
が、真剣に取り組める相手と取り組んでください。
「友達がえんぴつを置くまで勉強をやめない!」と、
良い意味でのライバル心の持てる相手がいいでしょう。
「過去問かったるいな…終わらせて遊びに行きたいな」
という悪友はいけません。
間違いなく、二人とも落ちるでしょう。
家で過去問に取り組む場合は、解いている間、
保護者の方は絶対に声をかけないであげてください。
テレビを消す… 楽器を演奏しない… ご家庭の協力も必要です。
受検生は孤独な戦いを強いられます。
ご家庭のサポートが必要です。
「 何を 」すればいいの?
え?横浜サイエンスフロンティアの過去問でしょ?
もちろんそうですが
横浜サイエンスフロンティアの過去問は、4つあります。
① 声の教育社
② 東京学参
③ 教英出版
④ 横浜サイエンスフロンティアのホームページ
最もおすすめなのは、声の教育社 ( オレンジの表紙の過去問 ) です。
横浜サイエンスフロンティアの問題の多くは、
正解にたどりつくまでの考え方が複雑です。
声の教育社の解答は、
正解までの道のりを、順を追って丁寧に説明しています。
さらに図形問題では、
思考途中で必要なイメージ図が多く載っております。
また、本番気分を味わうなら教英出版がよいです。
教英出版の過去問は、一年分ずつ冊子になっていて、
バラバラに実施が可能です。
横浜サイエンスフロンティアホームページの過去問を
ただ印刷しても冊子にはなりませんので、
こちらのほうが本番演習を再現するのに優れています。
ただし、家の外に持ち出す際には紛失に注意してください。
手軽に持ち歩きたいなら、最も軽い東京学参がよいでしょう。
目的によって、過去問を使い分けましょう。
解いたら丸つけですが記述問題や、要約文の採点をご家庭で行うことは危険です。
たとえ内容が模範解答通りだったとしても、言葉ひとつ違うだけで
文章の論理性が崩れてしまうことも多々あります。
あるいは、書く順番を間違えても
言いたいことと全く違う主張をしてしまう可能性も…。
それらを誤ってマルにしてしまうと、
受検生として間違った習慣がついてしまいます。
特に適性IIの記述問題には、横浜サイエンスフロンティアが
好むキーワードがいくつかあり、原則、
そのキーワードを使用しないと正解にならないので、要注意です。
「 なぜ 」 過去問を解くの?
公立中高一貫校の対策問題集は、世の中にたくさん販売されています。
また、大手塾を中心に、多くの対策テキストが日々、作成されています。
その中には、横浜サイエンスフロンティアより
はるかに難しいテキストや、良問を揃えたものもあります。
勉強効率面だけなら、効果的に勉強できるテキストは、たくさんあるといえます。
しかし、横浜サイエンスフロンティアの過去問を解くことには重大な意味があります。
それは、過去問は問題集ではないから です。
過去問は、過去の2月3日、
横浜サイエンスフロンティアに行きたい多くの受検生が実際の会場で受け、
合否がわかれた問題です。
勉強が十分にでき、合格を掴んだ受検生もいれば、
惜しくも不合格となった受検生もいます。
過去問は、その問題を追加で体験できる、
非常に貴重な機会だと自覚してください。
決して、機械的に過去問を進めてはいけません。
問題集を解くように、軽々しく解答を見たり、受け流して取り組んではいけません。
むしろ、取り組んだ当日は採点しないくらいがちょうどいいです。
どんな問題が出たか、どんな感想を得たか、振り返ることが最優先です。
そして冷静に、翌日にマルつけするとよいでしょう。
それくらい、真剣に解く。
横浜サイエンスフロンティアの過去問は数年度分しかありません。
1年分の重みが、他の公立中高一貫校とは比べものになりません。
どの年度も、絶対に無駄にしないように。
不退転の覚悟を持って臨むこと。
「 どのように 」 過去問と向き合うの?
具体的な過去問の進め方を見ていきましょう。
まず、最低1回は、すべての年度を解きましょう。
「 横浜サイエンスフロンティアは難しい 」。
そうした漠然とした不安は、過去問と向き合う中で具体的になるでしょう。
どこがどう難しいのか。
それを体験することが、最初の過去問との向き合い方です。
過去問ノートを作り、
採点前に、どこが難しかったか、
ノートにまとめます。
受検生ひとりひとりにとって、
難しいと感じるポイントは違います。
あなたの感想で、つまずきポイント、課題を書き出します。
正直なところ、横浜サイエンスフロンティアは毎年路線変更があり、
毎年、試験当日、多くの受検生が驚かされています。
2月3日、横浜サイエンスフロンティアのことを誰よりも知っている、という自信が、
横浜サイエンスフロンティア合格のための大きな支えになるでしょう。
次に、過去問は最低5回ずつ解いてください。
結構よくある話ですが、過去問を見ないと
「 どんな問題があったかわからない 」
「 これ、解いたっけ? 」
「 なんて解答したっけ? 」
などのないようにしてください。
そして、自分が出題者だったら、来年、どんな問題にするか?
この視点を常に持ちましょう。
当たり前ですが、答えは3だった、など
覚えている答えを書くだけになってはいけません。
何回も解くうちに、自然と答えを覚えてしまうのは当然です。
正解が重要なのではなく、なぜその解答をにしたのか
他の人に説明できるかが大事です。
横浜サイエンスフロンティアは毎年、見たことのない
マニアックなグラフ資料の読み取りを出し続けていますが、
このグラフは横浜サイエンスフロンティアのオリジナルではなく、
研究論文でよく使われるものです。
適性Iの最後にある長文で書かれていることは、
実は研究論文の世界では当たり前に
議論されているテーマから持ってこられていることが多いです。
文化の違いって何?難しいね・・・ではなく、
文化人類学ではふつうこんなふうに議論されているのか、
と落ち着いて問題文を読解できたとしたら、
もはや横浜サイエンスフロンティア合格は目前です。
さて、横浜サイエンスフロンティアとは何か、
がよく理解できたら、他の公立中高一貫校の過去問を解きましょう。
最優先で取り組むのは横浜南です。
理系教育の一環として、
算数・数学の論理的側面特化で設立されたのが横浜南であり、
そのコンセプトをさらに深め、
理科教育特化で設立されたのが横浜サイエンスフロンティアだからです。
つまり、横浜南は横浜サイエンスフロンティアの生みの親ともいえますので、
横浜サイエンスフロンティアの過去問を十分に理解し次第、最優先で取り組んでください。
過去問の量もかなりあるので、存分に掘り進めてください。
逆に、横浜サイエンスフロンティアの隣の
公立中高一貫校である市立川崎の過去問には、触れないでください。
市立川崎はスポーツに特化した学校で、
かつ、川崎市を背負う人材を養成したいという狙いがあります。
横浜南と横浜サイエンスフロンティアはこの点、全く違います。
この2校は横浜市を背負う人材を育成したいわけではなく、
頭脳の面で、国家を、日本を背負う人材を輩出したいのです。
決して地元のエリートを育成したいわけではありません。
したがって、同じ教育コンセプトをもつ、東京の桜修館や小石川がおすすめです。
ただし、他校の過去問に取り組む際、
横浜サイエンスフロンティアとの対比は常に忘れないように。
横浜サイエンスフロンティアの傾向を頭に思い浮かべながら解くことで、
傾向の違いが明確になり、より横浜サイエンスフロンティアへの理解が深まることでしょう。
>> 次回は知の開拓者
第6回 サイフロのアドミッションポリシー
さぁ、しっかり対策を行い、
横浜サイエンスフロンティア
中学受検合格を勝ち取ろう!