第7回 サイフロ受検 図形対策
〜 遊びの時間は終わりだ 〜
サイフロに毎年 出題される図形問題。
苦手な受検生は非常に多いです。
図形問題は、平面図形・立体図形ともに、センスや
ひらめきで解いていくイメージがありますが、実は違います。
では、どうしたら図形問題で合格点を取れるのでしょうか、
適性の図形問題
1 文章をよく読み、理解する
私立中学受験の図形問題の多くは、数多くの知識やテクニックを使って解くものが多いです。
対角線の本数の求め方をその場でいちいち考えていては時間が足りませんし、点数も安定しません。
解くために必要なのは、センスやひらめきではない、事前の知識です。
適性の図形問題は適性の解き方があるということです。
一方で、サイフロの問題の場合、どれだけ図形の公式やテクニックを覚えているかは問われません。
問題も会話形式などで進み、本文中にすでに公式やヒントが書かれています。
文章をよく読み、理解し、条件に当てはまる図形が何か考えます。
見たことも聞いたこともない作業でも、慌てず、
落ち着いて、指示通りに図形を動かしていきましょう。
逆にしっかり覚えていなければいけないことがあります。
三角形や四角形の定義や性質、
平行四辺形とひし形の区別など
小学校3年生〜4年生の授業中に学習したことです。
これらは、ほとんど復習の機会がないんで、
忘れている受検生も多いです。
サイフロの問題は、この学校で習う基本的な図形の“ 性質 ”をヒントにして解くものが多いです。
ですので、学校の教科書で出てくる図形の性質は、もれなく押さえましょう。
2 問題は続いていることを意識する
サイフロの図形問題は、それ自体単独で解こうとすると非常に難解な問題が多いです。
解説を読んで理解できたとしても、いったいどうして
その発想にたどりついたのか?が わからなければ本番に生かすことはできません。
前の問題は、後の問題のヒントとなる。
つまり、(1)で解いた答えや解き方は(2)のヒントとなり、(2)は(3)のヒントとなります。
極端なものだと(1)(2)(3)すべてをヒントとして(4)を解くこともあります。
図形問題のヒントは、その問題の中だけでなく、その問題の前の問題のなかにもあるという視点を持ちましょう。
思わぬところに大ヒントが転がっているかもしれません。
3 図を描く
図を描くか、描かないかで、図形の得点が大きく分かれます。
苦手な受検生は問題用紙の図形を眺めて、頭の中で解こうとします。
また、描きうつしても、正しく図形の特徴が描けていないことが多いです。
必ず、手を動かして描きましょう。
このとき、問題用紙に描かれた実際の図のようにキレイに描く必要はありません。
そして、定規は絶対に使わないでください。
そもそも、ただでさえ時間が少ないサイフロ受検で、
定規を使ってキレイに作図…なんて余裕はありません。
図を描くことが目的ではなく、問題を解くのが目的です。
フリーハンドで、しかし丁寧に描きます。
元の図形の交点を正しく再現しましょう。
再現した図で、具体的に考えましょう。
見やすい図こそ、図形の性質に気付きやすいものです。
重要なのは大きく! 丁寧に! 正確に!
4 条件を書き入れる
図をうつしたら、次は決まっている条件や数字を、ていねいに書き入れましょう。
このとき、書き込みがごちゃごちゃして思考の邪魔をしないように書きましょう。
条件を雑に書き入れて自分からミスしたり、
答えへの手順がわからなくなっているケースが多いです。
とくに単位と数字は場所を間違えずに書き込むこと。
図が正しく描けたあと、具体的に何をすれば解けるのか問題に戻り、確認します。
2.年度ごとの図形問題 対策のヒント
ここからは、年度ごとのワンポイントヒントを。
ネタバレ(?)になるといけないので
まだ過去問を解いていない受検生は、ここで読むのをストップしましょう。
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令和3年 立体の変形
令和3年は四角柱に関する問題が出ました。
底面を変形し、別の形にする問題です。
攻略のヒントは、前の問題ではどんなルールで変形したのかを、
次の問題の文脈のなかにあてはめて考えることです。
長方形の条件は何か?
三角形の条件は何か?
基本的なの図形に対する正しい理解が重要です。
令和2年 複数サイコロの立体図形
令和2年はサイコロを複数積み上げ、正面図や真上図から、
実際にどのようにサイコロが積まれたのか想像する問題です。
攻略のヒントは、サイコロの目が右回りか左回りか理解することと、
頭のなかでサイコロを回転させることです。
この時、6面全てを一気に頭の中で回転させるのではなく、
隣り合う2面に着目して回転させるとうまく想像しやすいです。
サイコロが複数あるので、回転結果は必ずメモしましょう。
平成31年 正多面体と その拡張系
平成31年は正三角形だけからなる立体が、正多面体を中心に出題されました。
攻略のヒントは、切断面の切り口が必ず床と並行になることを意識できるかと、
立体の一部を切り開いた時、新しい面をいかに正確に想像できるか。
展開図から立体を作成するトレーニングの有無で大きく差がつきます。
平成30年 切頂二十面体の展開図
平成30年は、切頂二十面体(サッカーボール型)の展開図に関する問題が出題されました。
攻略のヒントは、展開図から立体を組み立てることなく、条件にあてはまる面を見抜くことです。
立方体ならともかく、32面からなるサッカーボールを頭の中で組み立てることは不可能に近いです。
ですので、論理的にどの面とどの面が反対にあるのか、
規則を考えて解くことができるかどうかが勝負の分かれ目といえます。
平成29年 市松模様の直方体
平成29年は、白と黒の立方体を複数集めてできた立体図形の切断が出題されました。
攻略のヒントは、直方体を建物のように見て、一階部分、二階部分と分けて考えることです。
切断面自体は複雑ですが、立体自体は立方体の集まりなので、
それぞれバラバラに考えることができれば想像しやすくなるでしょう。
みなさんの受検するサイフロの図形問題には当然、答えがあり、解法があります。
センスやひらめきに頼ることなく、論理的に答えを出していきましょう。
>> 次回は
サイフロ受検対策 〜 克! 喝! 勝! 〜
さぁ、しっかり対策を行い、
横浜サイエンスフロンティア
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