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「天気の子」を科学してみよう

  • 2019年10月5日
  • 2019年11月9日
  • 科学
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映画 「 天気の子 」 では異常気象が舞台となっています。

特に雲の描写が印象的なことでしょう。

今回は作品に登場する雲について説明していきます。

映画のポスターにあるアイロンを逆さにしたような不思議な形の雲は、金床(かなとこ)雲です。

ハンマーなどで作業する台に似ています。

これは積乱雲の発達したもので強力な雲です。

通常、積乱雲は”入道雲”とも呼ばれるように頭が丸く、全体がもこもこしています。

多くの水蒸気を含んだ大気が上昇し、1kmくらい昇ると水蒸気が水滴になり、雨となって降ってきます。

夏によくある「夕立ち」となり、短時間に激しい雨が降ります。

しかし、この積乱雲がさらに発達してしまうと、どんどん上空に伸びていきます。

やがて、雲の入り込めない大気の層に当り、水平方向に拡がっていきます。

これが 「 天気の子 」 のポスターにある形の雲です。

この時、上空はかなり温度が低く、水滴は氷となります。

この雲の寿命は大体1時間ほどですが、大雨や雷を起こし、時にはヒョウやアラレなども降らせます。

消滅時には特に激しくなり、災害をもたらすに至ることもあります。

これらの雲の性質などを映画と照らし合せてみます。

ポスターの雲はその強大さを示し、そこにいる魚らしきものは雲の中の氷を置き換えたかもしれません。

取り巻くように飛ぶ竜は雷のイメージと、もしかしたらジェット気流の置き換えかもしれません。

ジェット気流が蛇行すると異常現象が起こりやすくなります。

東京上空から積乱雲を見下ろすシーンでは赤い光がありますが、積乱雲内部の放電の乱れによって発生する光でしょう。

上空の人物の息が冷える感じにキラキラしている細かいところまで描写されています。

「 天気の子 」 がかなり研究されて作られたことが計り知れます。

そして、自然災害に見えますが、その原因を作っているのが人間であるというテーマも、現実的で有意義なのではないでしょうか。

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